1.はじめに(概要)
2016年1月にAmazon経由で購入したニコンのクールピクス S9900(2015年2月に発売)が、
2020年6月初旬に、レンズエラーとなって故障した。そして、横浜にあるNikonの修理センター
にピックアップサービスを利用し送付した。その後、交換部品の在庫がないということで、
代替案(Coolpix A900へ有償交換)を提案してきた。代替案に対して、いくつか疑問があって、電話連絡し、その回答を得た。
また代替案の良否を、インターネットでいろいろ調べた。その結果、代替案は納得できるものではない
という結論に至った。
後日、修理センターに、代替案は魅力ないことを連絡し、故障したS9900を未修理品として送り返してほしい旨を
電話連絡した。ピックアップサービス代1870円(税込)は当方が支払うつもりでいた。
だけど、それ以外に未修理返却手数料として1100円(税込)がかかっているという。どんな手数が
かかったのか、高過ぎはしないかと押し問答するも木で鼻をくくったような回答で、ラチが空かず、引きさがるほかなかった。電話料金は掛けた側が負担。
数日して、S9900の未修理品が代引宅配便で届き、未修理手数料とピックアップサービス料として合計金額2970円を支払った。
何もしないで、2970円の金+電話代を無駄に使ったことになる。Nikonの修理サービスはこんなものと諦め、
二度とNikon製品を買わないこととした。
コロナ感染症騒動で、ニコンの業績も悪化しているのは理解するも、Nikonに対する信頼は完全になくしたとの結論です。
以下、ニコン修理センターとのやり取りの詳細、インターネットで関連情報を調査・収集した結果をまとめ、
備忘録としてブログ記事に残し、ネット上に公開することにした。
2.経緯の詳細
以上がNikonの修理センター@横浜との経緯の概略なのだが、途中の詳細について、以下時系列に従って
詳述する。
2.1 6月3日11:05の撮影までは正常だった
月に12回ほど、S9900を携帯し、自転車のロードバイクに乗って1回50㎞ほどを走行している。
S9900をソフトケースに収納し、それをウェストバッグに入れて走っている。主に途中で出会う野鳥、
虹・ハロなどの自然現象、風景などを撮影することを趣味としている。
6月3日の11:05の画像(風景画)を最後に撮影し、再び
ウェストバッグに入れしばらく走る。およそ10分後に撮影しようと電源を入れたところ、ズームアップできず、
またピントも合わなかった。そのうち、「レンズの動作不良」メッセージを出し、レンズ鏡筒が
ボディに格納されず、出たままの状態となった。
ディスプレイには「レンズの動作不良です。電源オフ後、再度実行してください」との
メッセージが出ている。電源スイッチは利かず、バッテリーの底蓋を開けて、バッテリーを
取り出し、電源オフとする。蓋を閉めて通電しても、「カチカチ」音を連発し、レンズ部がやはり格納されない。
同様の故障が以前(2017年12月)にも発生し、修理センター(この時は仙台の修理センター)で修理した
ことがある。前回の故障については後述する。
今回の故障では、ウェストバッグに入れて、普通に舗装された道を自転車で走っただけで、酷いデコボコ道
でもなく、段差もほとんどない状態で、特にショックとかを与えた訳ではない。また異常操作をした覚えもない。
2.2 6月3日18:00PMに、Web経由で修理依頼する
故障した日の夕方、インターネット経由で、Nikonの修理サイトに修理依頼を申し込んだ。サイトはこちら↓。
ニコン修理メンテナンス のサイト
サイトには、ニコンイメージングプレミアム会員でインターネットから修理を申し込むと料金が10%割引
とある。当然、製品(S9900)を登録してあって、プレミアム会員として申込みをした。
申込前に、修理受付可能な製品一覧で確認したところ、故障したS9900は修理受付可能となっていた。
図1は、後日(6月17日)に証拠とすべく、アクセスしたときのキャプチャ画面。
図1:Nikonの修理サイトに掲載する修理受付可能リスト (クリック:拡大)
後日、サイトをよく見ると、受付可能リストに載っているといっても、「修理受付」可能であって、「修理」可能ではない。
上手いこと胡麻化された気分。
それと、修理規約として「修理サービス規約」が別ページにリンクを張られているようだが、細かい条文の一字一句を見ていない。
後日、条文を眺めたところ、「第10条 補修用性能部品の保有」は在庫次第でが期間変更する(Nikonが独自に変更できるとの意)
との記載、未修理品の返却には
「第12条 キャンセル・変更」に、送料、見積手数料、未修理返却手数料を客が負担することの記載があって、全くNikonファースト、お客セカンド
の姿勢が丸見え。
修理をキャンセルして、以下順を追って述べるが、代替品の見積手数料まで徴収されるのは条文を逸脱していておかしいと思うけど。修理費用の見積
までは良しとしても、代替品の見積費用まで客負担するの行き過ぎと思う。
インターネット画面で、故障の症状をあれこれ記載し、送信すると受付終了となる。送信するとき、おおよそ
の見積金額が表示されるのだが、この画面をキャプチャしていなかったので、その時の金額は不明。また、故障の
症状などどんな内容を記述したかもキャプチャしていなかったので、記録としては残っていない。送信する
前に、証拠として画面キャプチャとか印刷をしておくべきと反省。
「受付しました」の返答メールに当然これら情報が記載されていると思っていたら、下の図2の受け付けましただけ
のEメールしか返って来なかった。
とにかく、修理受付可能だし、修理されて戻ってくるものとこの時点では思い込んでいた。
図2:6月3日の受付完了のEメール (クリック:拡大)
なお個人情報保護するため、図中のオレンジ色はその該当部分と判断し塗りつぶしている。
以下の図も同様。
2.3 6月5日午前中に、梱包資材が届き、午後に発送する
翌々日の5日(金)午前中に梱包資材が宅配業者から届けられた。すぐに同梱されていた修理申込票に必要事項
を記載し、故障したカメラを緩衝材で囲むように梱包した。梱包する前の、S9900の外観を写真撮影しておいた。
写真1。
後日、ボディの変形などがなかったことの証拠写真となる。
ネット(価格コム)で、ボディの変形で修理不可とされたとのクレームの口コミが掲載されていて、発送前後に証拠
写真を撮ることが良いと。
指定の宅配業者に電話して、集荷をお願いすると、5日午後に受け取りにくるとのこと。午後に宅配業者 に手渡す。
2.4 6月8日夕方、見積Faxが届く。夜、修理品確認完了のeメールが届く
発送したS9900が、8日(月)に届いたようで、さっそく症状の確認作業をしたようだ。それと、修理の見積を
作ったらしく、8日夕方18:00頃にファックスで、「お見積連絡票」を入電した。ファックスの全文を図3に示す。
文中の手書き文字、数字は、後日電話連絡時にわたしが記入したメモ。
図3:6月8日の見積連絡票ファックス全文 (クリック:拡大)
図3の中段の「お客様ご指定内容」は、インターネット経由で入力した故障の症状が記載されている。また、
中段の「お客様への連絡事項」は、修理センターからの連絡事項で、①レンズユニットの在庫がないこと、
②代替案として「A900」を上記の合計金額\32956(税込)でどうか、との提案。およそ\33000出せば、故障したS9900の代りに、
A900を送ってくれるという提案のようだ。
合計金額の中身は、技術料(\6660)、部品代(\21600)、運送料(\1700)、消費税(\2996)、合計(\32956)と見積内訳
にある。代替品を単純に送るのに技術料っていったい何だ(?)。
ファックスの解像度が悪いので、この部分の拡大図を、図4に示す。
図4:6月8日の見積連絡票ファックスの部分拡大 (クリック:拡大)
同じ日の夜20:00にEメールで、修理品確認完了のメールが届いた。図5。
図5:6月8日の修理品確認完了のEメール (クリック:拡大)
Eメールには、見積金額\32,956の記載だけで、Faxに記載された、部品の在庫がないこと、A900の代替案は
一言も触れていない。全く不親切というか、Faxを見なければまったく思いもよらない結果、生産終了した売れ残り在庫品
をつかまされることになっていたかも知れない。
できるだけ証拠を残さないようにEメールには書かなかったのかも知れぬ。
2.5 連絡票Faxの内容をチェック
S9900のレンズユニットに在庫がないことは、すでに多くの同様の故障が発生していて、部品が払拭している
としか思えない。あるいは邪推すれば、生産終了した、古い在庫品A900を処分すべく、「部品在庫なし」と偽ったのかも知れない。
在庫がないということを信じて、では、代替品A900というのはどういう商品なのかをインターネットで
調べた。
Nikonのホームページの製品情報によれば、A900はすでに旧製品となっていて、2016年10月28日に発売されて
いて、光学ズーム35倍、画素数が2029万などの仕様となっている。
参考までに、S9900は、旧製品で2015年2月26日発売で、光学ズーム30倍、画素数1605万となっている。
S9900、A900と同クラスの現行機種は、A1000で、2019年2月15日発売、光学ズーム35倍、画素数1604万となっている。
価格コムの2020年6月22日時点での新品の最安価格は、A1000が\46692、A900が\45652、S9900は中古のみ記載
があって\17930(中古)となっている。A900は店によっては店頭で新品として売られているようだ。
A900の2018年7月から現在までの2年間の価格コムのサイトに、A900の価格の推移がグラフ化されて閲覧すること
ができる。図5。
発売からほぼ2年後の2018年7月以降の価格しか分からないけれど、次の製品A1000が発売された2019年2月ころ、
平均価格は30,000円、最安値は26,000円ほどと読める。
NikonのA900を\33,000でどうかという代替案は、この価格コムのデータから判断すると、製造終了したモデルで、しかも割高感がある
と言わざるを得ない。
図6:A900の価格の推移 201807 - 202006 (クリック:拡大)
Coolpix A900の価格コムの口コミやAmazonのレビューを見てみると、レンズエラーなど故障がかなり多数報告されている。
Google検索しても、Coolpixのレンズエラーで多数ヒットしている。これらのことから、高倍率光学ズームを謳った製品は、
ズームの機構の完成度が低く、改良もされていないように思える。
交換してくれるA900が、中古品なのか、新品なのかも記述がない。それと売れ残りの在庫品にしても、保証期間や
部品の在庫期限があとどれくらいあるのかなど、確認する必要があった。
2.6 6月10日夕方、修理センターに幾つか疑問点を電話で確認する
大まかな疑問点をリストアップし、6月10日夕方に、修理センター(0570-xxx)に電話を入れた。0570は、0120と違い、発信する
方に料金が発生する。0120のフリーダイヤル通話ではない。Nikonのサービスぶり、コストカット体質の一端がうかがえる。
それと通話に先立って、通話を録音している旨を告げられる。こちらも録音をするようにしておけばよかったが、
準備不足で残念。
以下質問事項とその電話回答、その後調べた内容を項目ごとに記載する。電話での会話内容をメモしながら話したが、その
メモを頼りに要点をまとめている。
- Q1:代替品で送られてくるA900はどんなものですか
A1:S9900より画素数が多くて、綺麗に写ります・・・(以下略)。
と、A900の特徴を話し出すのを、遮って、
Q:でも、S9900にはGPS機能がありますが、A900には無いですよね。
A:(無言)
Q:そういう話ではなく、代替品で送られてくるA900は未使用新品ですか、中古品ですか
A: 未使用の新品です。
A900の発売時期は先に記述したように、2016年10月28日です。そして現時点では旧製品となっています。 未使用の新品ということは、「売れ残りの在庫品」ということのようだ。売れ残りの在庫品処分を兼ねて、\33000 でどうかという代替案のようだ。
こちらでは送られてくるものが、新品なのか、開封した品なのか、中古品なのの判断がつかない。 何しろ送り主は製品のメーカーだから。 いくらでも邪推できるというもの。
- Q2:代替品(新品という)のA900の保証期間は、1年ですか、あるいはないのでしょうか
A2: 修理品扱いになりますから、6か月の保証期間になります。保証書は修理後の納品書になります。
高額な対価を支払って、新品を送ってくるのだけど、その保証期間が通常の1年ではなく、修理品扱いの6か月という のは納得できない。Nikonは、製品A900に対して1年間は壊れないという自信がないのだろうか。
- Q3:代替品(新品という)のA900の専用付属品云々と連絡票に記載されていますけど、具体的にはなんですか
A3: A900専用バッテリー、バッテリーチャージャ、ストラップです。
話を聞いていると、どうも未使用新品の在庫品を外箱ごと送ってくるようだ。
- Q4:A900用の修理用部品の在庫保存期間はいつまででしょうか。壊れることはないでしょうね。
A4: 2024年2月までです。
発売が2016年10月だから、発売からおよそ7年ほどは在庫保存しているようだ。S9900の場合発売が2015年2月だから 7年後というと2022年になる。現時点2020年6月時点(発売から5年ほど)で在庫が無くなってしまったということ。
A900も、2024年を待たずに在庫部品が無くなり次第、修理不可となる可能性が高い。部品在庫の保存については ネットで調べる限り、メーカー側の随意のようで、法的な規制はないようだ。
2024年ということはあと4年は部品があって、客に安心感を与えるが、「壊れることはないでしょうね」の発言に 対し、応答なし。暗にレンズユニットの交換修理が頻発しているか如き印象を受けた。 - Q5:もし代替案を受け入れるとしたら、故障したS9900は戻ってくるのでしょうか
A5: 戻りません。
ピックアップサービス料(往復の宅配便代)を取っておきながら、復路(A900の送料)の宅配便代を客に支払わせようとしている。
それに、見積内訳にある技術料(\6600)って中身はどんなものか。これは聞き忘れたけど、新品を送り返すのにどんな技術 がいるのかと不思議に思う。単純に部品代(代替品のA900、\21600)を安く見せるためとしか思えない。技術料と部品代 で、合計\28260(税込みで\31086)となる。
電話での確認事項は以上で、「しばらく検討します。その後結果を電話連絡します。」ということで
応答を終えた。
図3の見積連絡票に手書きで記入している、「ニコンイメージング会員」割引の話はしていないが、上の見積
金額に含まれているかどうかは不明。
ピックアップサービス料で、部品の在庫がないことで、未修理品を返却するにも\1870(税込み)を徴収するというのはおかしい。
部品在庫がないことについては、当方(客)の落ち度でもなんでもない。「部品在庫がないので、修理せずに返却します。送料はNikon
がもちます」というのが本筋ではないだろうか。
Nikonの修理ホームページに、「修理受付」可能と言っていながら、部品在庫なしで修理してくれない。しかも往復の宅配便代はお客もち
ということで、全く踏んだり蹴ったりとはこのことか。
「売れ残り」とか「在庫処分」とかの言葉は、一言もこちらからは口に出していない。念のため。
電話で応対した相手は、言葉遣いは丁寧なのだが、どこかトゲトゲしく、高飛車なところがあって、Nikonファーストで、
お客セカンドの印象を持った。Nikonもコロナ騒動で売れ行きが悪いのだろう。
電話の応答を録音しておけばよかったけど、あとの祭りでした。
2.7 6月12日夕方、再び修理センターに電話し、未修理返送することを伝える
前回の修理センターとの電話連絡で、疑問点など大まかな確認を得た。その後も、いろいろインターネット
で調べた。主に、A900の現行値段、故障情報、それにNikon以外のほぼ同スペックのコンデジ機種と故障修理
に関わる情報などをGoogle検索や価格コムで調べた。
結局、Nikonとのやり取りで受けた印象の悪さ、故障続きの製品、開発・改良がなされないという姿勢から、
Nikonに対する信頼性を完全になくしてしまった。
Nikon以外の次期機種を購入するとして、まづはその情報を収集しようとした。
Canon、Nikon以外のメーカーの、S9900と同スペック機種の比較・選定すべく情報収集を行った。ここで、
Canonの修理メンテの
ホームページに、「修理するより新しい機種を購入する」よう推奨しており、Nikonのような「修理受付可能」
といった酷い誤魔化しはなく、どちらかと言えば、素直な印象がある。
Canonのコンデジも所持しているが現在は故障中。
次期コンデジのメーカーとして、SonyのCybershot、PanasonicのLumixに絞り込んだ。また、近くの
家電量販店で実物を手に取って、見てきた。Lumixの古い機種も所有しており、もう10年以上現役で利用
しており、故障はほとんどない。Cybershotは使用経験はないけれど、撮影素子を自前で作っていて、技術の
信頼度は高いように思える。
ほぼ次期機種の選定を終えたところで、6月12日(金)夕方に修理センターへ再度電話をかけ、最終通知の
結果を連絡した。もちろん「未修理返却」を通告した。
そのとき、ピックアップサービス料金\1870(税込)以外に、未修理品返却手数料\1100(税込)がかかる
と言われた。未修理なのにどんな手数をかけたのかとの質問をしてみても、明確な回答もなく、電話での
押し問答も諦めて、支払うことにした。Nikonは完全に信用を失った。
いままでの経緯で、Nikonのやったことは、故障の確認、見積連絡票の作成、電話での応答(電話代はこちらもち)
くらいしかやっていない。見積の代替案の作成はこちらは頼んでもいないのに、手数料の\1100は高い。
銀行窓口での他行宛て振込手数料でも\660~\880なのに。
金曜日夕方に連絡したことで、発送は週明けになりますとのことで電話を切る。
2.8 6月15日、未修理品の「修理完了」メールが届く
翌週月曜の15日に、修理模していないのに「修理完了」のメールが届いた。
図7:6月15日の修理してもないのに「修理完了」のeメール (クリック:拡大)
修理もしていないのに、修理代金として請求金額\2970がしっかり記述されている。ニコンイメージング会員割引
の10%はどこにいったのだろうか。
それにアンケートを収集しているようだけど、アンケートが経営責任者にまで届くのであれば、今回の
クレームを含めて記述してもいいけど、アンケートを集計した結果がどうなるのか、どう処理され、どう
ユーザーに反映されるのかが、全く記載がない。内輪で処理され、闇に葬られるかも知れない。この辺りも
Nikonに対する不信が拭い去れない。だから、アンケートには協力しない。
2.9 6月16日、未修理品が代引き宅配便で届き、手元に戻る
翌16日(火)に、未修理品が届く。梱包を開けて、すぐに中身を確認した。とりあえず外観は傷もなく送った ものを送り返しただけのようだ。液晶保護フィルムや、名前シールもそのままだった。写真2。
これで、Nikonとの付き合いは完全に終了した。送り返されたS9900に同梱されている納品書を図8に示す。
図8:同梱されていた6月15日発行の納品書 (クリック:拡大)
この納品書にも、イメージング会員割引については一切触れていない。前回、前々回の修理のときは 欄外に会員割引適応と記載されていたけど。以前の故障修理については次章参照。
3.以前にも故障が
S9900は、2016年1月30日にAmazon経由し、「カメラのキタムラ」に注文し、1月31日に発送され宅配便で届いた。 発送日が保証書で言う購入日になる。金額は税込みで¥25000ほどだった。購入時の保証書を図9に示す。
図9:購入時のS9900保証書 (クリック:拡大)
2016年9月に、「落下・ショック」でオートフォーカスが異常となったため、初めて修理センターに、
ピックアップサービス、ニコン会員として、修理依頼を出した。この時の納品書を図10に示す。
ニコンの修理センターはこの時は宮城県の仙台修理センターだった。
なお、水没、落下による故障は保証期間内でも有償修理となると思っていた。
修理内容を見ると、前後カバーとレンズ部の部品を交換している。連絡事項として会員割引と
明確に記載されている。
図10:2016年9月12日の1回目故障のときの納品書 (クリック:拡大)
2017年12月にも、レンズ部の異常で故障し、仙台の修理センターに送っている。下の図11はその時の
納品書。
ソフトケースに収納していたS9900を、リュックの奥から取り出そうとしたとき、ソフトケース越しに誤って電源ボタンを押して
しまったようで、ケース内でレンズが伸長しようとしたが、ソフトケースに阻まれ、カチカチ音を発し、
故障してしまった。プッシュボタン型の電源ボタンだと、ケースの外から押してしまうことがある。
スライド型スイッチだとこんな事故は防げたと思う。
図11:2017年12月6日の2回目故障のときの納品書 (クリック:拡大)
2回目の修理でも、レンズ部組の交換しており、交換部品の単価、修理料金とも同じ値段と なっている。それと会員割引適応が連絡事項に記載されている。
今回2020年6月が、3度目の修理センター行きとなったけど、つらつら思うにNikonのコンデジの
Coolpixシリーズは
レンズ部のズーム機能のメカが改善されておらず、ずっと昔の技術を踏襲しつつあるように思える。
ネット検索しても、レンズ鏡筒のズーム部の故障が多くヒットする。
4.お役立ち情報
Nikonのコンデジの故障、修理に関して、インターネットで情報閲覧、情報収集を実施した。その中で、特に役立ち そうな記事を見つけたので、お役立ち情報として、備忘録として、以下紹介します。時系列になっていません。
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Nikon Coolpix S7000のレンズエラーを分解して、直したという記事があった。途中経過の写真もあって、 型番は違うけど、S9900を自力で分解修理するのに役立ちそう。サイトはここ↓
Nikon COOLPIX S7000のレンズエラーを直したよ。(2017/09/01)
故障したS9900を修復する最後の手段は、やはりこのように分解することになるのだろうか。
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NikonのCoolpix S8000の故障を、直す工夫が記載されている。ほかの型番のデジカメにも適応できそうで、 元メーカーの技術者と名乗っているひとが書いたAmazonのカスタマーレビュー。 試してみる価値あり。また、この記事が役立ったというコメントが寄せられていて、これらも参考になる。 サイトはここ↓
ちょっとした不具合は工夫で直せて、長く使えるカメラです(2012/10/06)
軽くたたいて直す上に記載する方法(タッピングというようだ)で、Coolpix S5100のレンズエラーが直ったという記事が、ここ↓。
ニコンクールピクスS5100レンズエラーの修理方法はこれ!(2018/08/22)
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Coolpix P340は2014/2/27発売で、S9900のほぼ1年前の製品で、液晶モニタの不具合があって、修理センター に出したところ、在庫なしで修理できず、A900(2018年当時の最新機種か)の無償交換を提案されたという記事。サイトはここ↓。
Nikon COOLPIX P340 が A900 に変身!(2018/05/13)
2018年当時は無償交換していたけど、2020年6月のわたしの場合は、¥33000ほどの有償交換を提案されている。 コンデジの売れ行きとか、コロナ騒動に伴う経済環境の違いだけだろうか。Nikonの営業方針の転換があったのかも知れない。
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Coolpix P7700は、2012/9/27発売なのだけど、シャッター不具合で、部品が在庫なし。A900(当時の最新機種)を有償の約1.5万で 交換するとの提案があったという記事。サイトはこちら↓。
NIKON COOLPIX A900に交換しました(2018/07/01)
P7700は結構古い機種で、S9900よりおよそ3年前の製品。有償交換にしても、対価が倍ほども違う。やはり、2020年6月時点 で営業方針変更か何かあったとしか思えない。Nikonから、馬鹿にされた印象がある。 -
Nikonのコンデジではないけれど、鏡筒レンズ内のホコリを掃除機で吸い取る方法の記事があった。サイトはここ↓。 おおもとの米国のサイト(英文)を参照して、そちらのサイトURLも紹介されている。
レンズ鏡筒内にゴミが入って、鏡筒の伸縮がスムーズでないときには試してみる価値がある。
デジカメのレンズ内にある埃(ホコリ)を徹底的に取り除く方法(2016/05/07)
お役立ち情報ではないけれど、昨今の、コンデジがスマホに押されて、売れ行き不振なのはわかる。
それに2020年2月から始まったコロナ騒動、緊急事態宣言、外出自粛と続き、生活必需品
でもないデジカメは、ある意味趣味・嗜好の製品で売上が激減していると思う。
本記事を書いている最中の2020年6月24日の夜、カメラメーカーの老舗のオリンパスが、デジカメ事業などをファンドに売却する
とのニュースが流れた。オリンパスは、デジカメの価格競争からの撤退を早々に決めたようだ。
デジタルカメラの業界のシェアが、スマホに押されて縮小傾向にあって、メーカー各社はコストダウン、
経費節約などに走っているけど、結局は顧客の信頼を失うことになることに気付かないのだろうか。
オリンパスのように、デジカメ事業から撤退し、顧客を切り捨てることもせざるを得ない状況にまで
追い詰められている。日本のデジカメ業界のリーダー的存在のNikonも業績不振で、2020年3月の決算では
赤字を免れたものの、営業利益、当期利益が激減している。参考までに、Nikonホームページの投資家情報
からダウンロードした2020年3月期の決算短信を図12に示す。
図12:2020年5月28日付、2020年3月期 ニコンの決算短信(抜粋) (クリック:拡大)
Nikon本体も売り上げ回復に躍起になっていると思うけど、そのしわ寄せがユーザーである顧客にくるのは
お門違いも甚だしい。
今回のS9900の修理の経緯から判断すると、とても信頼を持てる会社とは思えない。何度も言うけど、
Nikonファーストを即刻捨て、原点に戻り、顧客の信頼に応えられる会社になって欲しい。コストカットに
走るのではなく、ものづくりの高品質、高信頼性を求めるべきと思う。
それと蛇足ながら、デジカメ業界に関連して、月刊のカメラ雑誌「アサヒカメラ」が2020年7月号(6月19日発行)を
もって休刊するとのこと。広告ページが激減し、広告収入が見込めないのが休刊理由のようだ。
アサヒカメラも休刊、純広告11ページに激減で白旗、カメラ7割減が直撃
(2020/06/03)
それと、これも月刊誌の「カメラマン」が、2020年5月号(4月20日発行)をもって休刊となった。
次号予告をしながら突然の休刊となった。6月号が
図書館に並ばないので、チェックしたらどうも広告収入が激減したためのようだ。
カメラマンの休刊の記事はここ↓。
『月刊カメラマン』突然の休刊、カメラ雑誌の老舗に何があった? (2020/04/28)
これら2誌を毎月愛読していたけれど、広告収入をカットされれば、たちまち干上がってしまう。カメラ業界
のコロナ騒動で、デジカメ業界の減収減益の影響がこんなところにも出ているようだ。
5.おわりに
2020年2月頃から始まったコロナ騒動で、緊急事態宣言の発令、解除を経て、ようやくコロナ騒動も落ち着いてきた
矢先に、愛用するNikon Coolpix S9900がレンズエラーで死んでしまった。過去2回、今回3度目の修理センター送り
にしたものの、部品在庫がないという理由で、返却を余儀なくされた。
部品在庫がないというのはわれわれユーザー側の責任ではない。NikonのWebページには「修理受付可能」と
欺瞞に満ちた表現で、あたかも「修理可能」なように書かれていて、故障したS9900をピックアップサービス
を利用して修理センターに送った。その後の経緯は上述したので省略するが、結局、無駄金\3000ほどを
どぶに捨てることになった。
少なくともわたしにとって、Nikonの信頼性は地に堕ちた。次期機種はNikonから選ばない、買わない。
以上